「貴族の常識ではありません。ローゼマイン様が間違っているわけではございませんから、ご安心くださいませ。ただ……領主会議の間、ローゼマイン様のお傍に仕えている時間が短かった上に、置いて行かれる可能性がわずかでもあるということで感情が高ぶっているようです。大変恐れ入りますが、ローゼマイン様。名を受ける、受けないにかかわらず、その二人はローゼマイン様がお連れくださいませ」 オティーリエはまるで他人事のような顔で、わたしの前に跪いている二人を見下ろした。連れていかなくても、ついてくる気がする。多分、気のせいでも何でもないだろう。