外に出て私を待ってくれていたのだろうか!「お、なんだあいつ、リョウの知り合いか?」 とシュウ兄ちゃんが言っている言葉に頷いた。「はい、友達なんです。シュウ兄ちゃん、少し馬車の速度落としてもらってもいいですか?」とお願いすると、シュウ兄ちゃんが、「はいよー」と答えて馬車の速度を少し落としてくれた。 まったく、アランったら、馬車の前を走るなんて危ないですよ! と思いながらも、私も嬉しくて馬車に乗り出してこちらに駆けてくるアランに手を振った。 そして私の隣で座っているコウお母さんの方に振り返る。「コウお母さん、私、先に馬車降りてもいいですか?」「どうぞ。アタシはこのままシュウ君と馬車を置かせてもらえるところまで行ってるわね」 と笑顔のコウお母さんの許可を貰ったので、アランが近くまで来てくれたのを見ながら、飛び降りるような形で「アラン!」と呼びながら馬車を降りた。 馬車が減速しているとはいえ、浮かれて飛び降りるのはダメ絶対。 私ならば華麗に着地できると信じていたんだけども、最近の私は商会関係の事務仕事が多くて運動不足、飛び降りた際の勢いを殺しきれずに、バランスを崩してしまった。 バランスが崩れて、そのままアランに体当たりをかましてしまった私を、アランが慌てて抱きとめる。「お、おい! 飛び降りるとか、危ないだろ」「あ、ありがとう。でも、馬車がまだ走ってるのに駆けてくるのも、危ないと思いますけど!」 と言いながら、体勢を整えて改めてアランの顔を見上げた。 アランだ! 顔色もいいし、怪我もなさそう! よかった。元気そうでよかった! 少し、心配してた。だって、結界を修理するために、魔法使いであるアランは多分、魔物が出やすい危険な場所に行ってたはずだから。 本当に、無事で、良かった。「アラン、元気そうで、良かった」「リョウも」 そう言って、微笑み合うと、何故かアランが、ハッとした顔をして慌てて私と距離を取った。 というか、突き放してきた。 ちょ、何、痛いんだけども! 感動の再会かと思いきや、突然の子分の暴挙に睨みを利かせてみたけれども、問題のアランは、顔を背けて、腕で顔を隠している。 あれ? ていうか、なんか、アランのくせに、ちょっと背が、高いような……。 いや、もともと私より背丈大きくなってきてはいたのだけど、久しぶりに見ると改めて背が伸びたなぁって感じが……。 さっきもアランと目線を合わせた時、見上げるような感じだったし。「アラン、背が伸びました?」 私がそう聞くと、何やら落ち着いたらしいアランが、こちらに顔を向けた。