父の経営する会社が倒産し、両親や姉の夫らは海外逃亡し、残された黒生家の三姉妹は日本に残されて烈しいメディアスクラムとバッシングを浴びていた。本家の黒条家が救いを差し伸べ、本家預かりの身となる姉妹。だが、その地方財閥である黒条本家を率いる当主は意外な若さだった。すでに社会に出て父の会社を補佐していた長姉・真姫は黒条本社に、次女・美姫は元の大学院には無理でも、黒条家の系列下にある学院へ復学が可能となり、三女・咲姫は地元の高校へ通うことができるようになる。つかの間の平穏に安堵する三姉妹。だが、その懇切な手厚い配慮の背後には、実はどす黒い経済事犯とそれを追及して罰しようとする本家の執拗きわまる非道な私的報復が待ち受けていた……。