「ニャメナは詳しいな」「へへっ、飲み屋に行くと、こういう噂話が酒の肴だからねぇ」 マスコミが無いから、飲み屋がコミニュケーションと情報交換の場所となっているんだろう。 ミャレーは酒をあまり飲まないので、そういう場所にも行かないようだ。もっぱら市場で聞き耳を立てて、情報収集を行っているらしい。「それで、ニャメナは蛇責めがご所望なんだって?」「止めてくれよ!」「蛇ってな~穴があると、潜り込むんだってなぁ?」「俺は、旦那を裏切ったりしないからさ! 今日の事だって、俺は外にいて知らなかったんだよ!」 まぁ、そうなんだろうな。 彼女が椅子に座ったまま、ズリズリと後ろにずり下がっていく。「俺が怖いなら、ここから逃げてもいいんだぞ?」「そんな……逃げたら、こんなに美味い料理も、酒も飲めなくなるじゃないかよぉ……」 まぁ、確かにな。ここで美味い物を食って、口が肥えてしまったら、街の安い食堂なんかじゃ満足は出来ないだろう。「はは、怖がらせて悪かったな。冗談だよ、冗談」 ニャメナの頭をナデナデしてやる。「みゅ~ん」「なんだ、その可愛い声は、はは」「なんだよ! 俺だって可愛い声上げたっていいだろ!」 ニャメナもこういう可愛らしい仕草をする事もあるんだな。 だが、まだアネモネの機嫌が治らない。「なんだよアネモネ。まだ何かあるのか?」「ケンイチは、あの女魔導師のヘソとか胸とかばっかり見てた」「えっ!? そんなに見てないだろ」「見てた…………私もヘソ出した服を着て、胸も出す!」「やめなさい――そんな、はしたない格好をするなんて。そういう事は、もっとボインボインに胸がデカくなって、脚がピチピチに伸びてからやりなさい」「むう……」 彼女はずっとむくれている、困ったもんだ。