錦糸町駅のホームには、出勤する人たちで溢れている。そこへ妖精のように美しい2人がおり、着物を着ているとなると当然目立つ。 もじもじと身体を揺らし、寂しそうにしているマリーへと僕は笑いかけた。「まあ僕としてはね、マリーが楽しく遊んでくれることが嬉しいんだよ。あとでたくさんお土産話を聞かせてくれるかな」「ええ、もちろん。だからあなたもお仕事がんばって。行ってらっしゃい」 ん、2人から改札口でバイバイと手を振られるのは何だか不思議だね。 日本人らしくまともに有休を使えていないけれど、いつかドーンと取得してみたいものだ。などと考えながら、いつものように僕は満員電車に飲み込まれていった。