ポタポタと、蒸留器から生成された液体を見ながら、サロメ嬢とカテリーナ嬢のことを考える。 寮の部屋で、香水関係の研究中なわけだけど、あまり集中できない。 ……やっぱり、あの2人のことはほっとけないよ。 どこまで踏み込んで良いものかと、迷う気持ちもあって、2人が話してくれるまで、と思うところがあったけど。 このまま放置できない。 それに、2人は話したくても話せないような状況なのかもしれないし……! まずは私が話せるきっかけを作らないと。 見張りの目を盗んで、どこかで話ができる時間をつくれないだろうか。 カテリーナ嬢の寮の部屋には、いつも女性の騎士の人が見張っているし、アレを撒くのは厳しい……。 だからといってサロメ嬢は、学園の外の宿でカテリーナ嬢の護衛騎士の人たちと一緒にいるらしいし、見張りの目の数で言えばサロメ嬢の方が多い。 どちらかといえば、カテリーナ嬢の方が接触しやすいかもしれない。 最悪、壁を伝って、窓から侵入すればいける? でも、あの引っかかりの少ない壁を伝って、カテリーナの部屋まで行く自信がない。 いや、アランに協力してもらって、足場を作ってもらえればあるいは……。 と、考えにふけっていると、窓がこんこんと音が鳴った。 え、怖い、二階なんだけど? しかも結構な夜中だし……。 と思って、恐る恐るカーテンをのけて窓の外を見ると、なんと、窓の縁にフードを被ったサロメ嬢がいかにもお忍びな様子で足をかけていらっしゃった。