若葉ちゃんはちょっと顔を引き攣らせたけど、相手は大金持ち。示談にするなら毟り取ってやればいいんだ!
「慰謝料については、実は鏑木様も支払うって言ってくれたんですけどねー。鏑木家の顧問弁護士さんって人も、家に何度も来てくれて。私、弁護士さんて初めて会ったからドキドキしちゃった!いかにも仕事できますって感じの人で、さすが鏑木家の顧問弁護士!ってそれはどうでもいいか。えっと、それで慰謝料ですけど、私達が断ったんです。だって本当にたいした怪我じゃなかったし。でも結局最後、お見舞金って渡されたお金は断りきれなかったんですけどねー。慰謝料の金額よりは少なかったですけど、それでも多かったですよ?最初に慰謝料って提示された金額はあまりに大きすぎて、家族全員震えちゃいましたから」
「まぁ…」
「これだけはどうしても受け取って欲しいって言われて、分厚いお見舞い袋を渡されちゃって。でもこーんなに分厚いの」