「お母さん!」
「雪菜っ!」
「あうっ! く、苦しいですお母さん!」
「もう、あなたはまた私を心配させて..............!」
「ご、ごめんなさいお母さん..............でも、雪菜も神社でお母さんを探していたのですが..............どちらにいたのですか?」
「私も、境内を回っていたのだけど..............」
「おかしいですね、八幡さんと一通り確認したのですが..............」
「え..............?」
「あっ、お母さん聞いてください。迷子で泣いていた雪菜に手を差し伸べてくれたゾンビさんがいたのです!」
「ゾンビ..............死んだ魚みたいな目の?」
「はい。よく分かりましたねお母さん」
「ゾンビ、八幡..............まさか、ね」
「お母さん、少ししゃがんでください」
「? いいけれど..............っ? 雪菜?」
「なでなでです。八幡さんから、お母さんを撫でるようにと言いつけられたので、忘れる前にやりました!」
「..............っ」
「雪菜はいい子とか、雪菜のお母さんはすごい人だとか、たくさん褒めてくれましたよ、八幡さん。あっ、頭撫でるのは下手でしたけど」
「..............そう。あの人らしいわね」
「あ、あと八幡さん、お父さんは絶対雪菜のこと愛してるって言ってました。お母さん、お父さんのこと、聞いてもいいですか?」
「っ..............!!」
「おっ、お母さん、苦しいです..............」
「..............っ、馬鹿ね、本当に」
「お母さん?」
「この子にあの人を会わせられないことだけが、悔いだったけれど..............一日遅れの、神様からの誕生日プレゼントかしらね」
「お母さん..............やっぱり、お母さんは泣き虫です」
「ええ、本当にね。..............愛してるわ、雪菜。そして..............」
「愛してるわ、あなた」