■女性は恋愛には前向きでも性に対しては受け身
川:誰かが言ってましたよね、婚外恋愛について。いまぼくが不倫したら、損害賠償1億円以上だって。
一:それ、お笑い芸人の土田晃之さんですね。
川:お子さん5人でしたっけ?子どもの親権を取られるだけでなく養育費も慰謝料も。どんな絶世の美女がいても、愛する子どもたちを取られるリスクと1億の損害に見合う浮気なんかないと。
一:金融ブロガーの藤沢和希さんが、男性に婚前契約というものを布教しています。結婚する前に、「財産を折半しない」っていう契約を結んで結婚しなさいと。そうなると結婚ってほとんど形式的なものってことですよね。
川:藤沢数希さんまたそんなこと言って(笑)。夫婦は絶対、離婚しても子どもの事を第一に考えて、いろいろ決めるべきですよね。
一:そうならないために男性の方もいろいろ工夫することがあるってことですよね。
川:私はやっぱり話すのが大事だなと、2016年に出た数々の離婚騒動を見て思いました。たとえば、不倫で失敗して人生が狂ってしまった人たちの騒動を二人で観て、どう思う? とか話し合ったりね。夫婦のどちらかが「ときめきがないな」と思っているときって、相手だってきっと同じように思っているんです。同じ家で恋愛ドラマみたいな刺激もなく働いて……同じ考えになるに決まってるじゃないですか。だからお互いさまなんですよね、絶対。人のせいにしないで“夫婦ごと”として捉えられるのが重要なのかなあと思いますけどね。
一:本当にそのとおりですよね。
川:お互い婚外恋愛OKで、代わりに絶対籍抜かないという夫婦ならそれでもいいんですけど。でもなかなかそういう人はいないですよね。そうすると創意工夫が必要なんだけど、私もAV監督の二村さんと対談するようになって初めて考えるようになったというか、女の人って情報がないから、友達同士で「あなたはどんな性の妄想を抱いてるの?」なんて話さないじゃないですか。恋愛には前向きでも性については受け身で、男性に頼りすぎていたというか。もっとそういう作品を観るなりして女性が性に自覚的になること、性にオープンになるのは夫婦になってからのパートナーシップにおいても大事なことだなって、40歳過ぎてから思いました。
一:そうなんですよね。何でしょうね、この「女性が性に対してオープンだとはしたない」という勘違いというか、思い込みが依然として根強く存在するのは。
川:性的にオープンな女性が、素敵だなって思われている感じがまだまだないじゃないですか。「カッコいいビッチ」がいれば、周りも受け入れられると思うんですけど、なかなかアイコンとなるような人がいないですよね。
一:女性にももっと性のことを、どんどん話すようになってほしいですね。