「っう、うぅ〜っ」「うん」「うれ、し」「うん、俺も」「うずいさんの、あかちゃんだ…」「お前との子ども、な」「わたしと、うずいさんのあかちゃん…っ」「そう、俺達の家族だ」「うん、うん…!」しゃくりあげる善逸の背中をとんとんと優しく叩いてあやしてみるが、善逸の喜びの涙は止まることを知らないかのように後から後から溢れて頬を伝っていく。「…ありがとうな、善逸」「うずい、さ」「ありがとう」呟いた宇髄の声も涙に濡れている。ポツリと落ちた涙が善逸の金糸に溶けていった。なんて幸せな光景だろう、炭治郎は目を細めて微笑み、そっと診察室を後にした。「おめでとう、善逸」愛情に飢えて怯えていた子どもはもういない。母親になる親友へ、精一杯の言祝ぎと喜びの涙を送った。