肩を落としたウリドラがエスカレーターから降りてきた。 おかしいな、出発する時はあんなにはしゃいでいたのに、気のせいか小さくなったようにも見える。 ひと口も飲んでいないタプタプのドリンク。水びたしのポップコーン。とぼとぼと歩く足取り。それを眺めているうち、何故か「気をつけろ」と本能が囁きかけてくるのを僕は感じた。 決して気軽に「ねえねえ、どうだった?」なんて笑いかけてはいけない。もしもそんな事をしたならば、恐らく数日に渡り執拗な嫌がらせを受けてしまうだろう。 何かを言いかけたマリアーベルの唇をふさぎ、そして僕は声をかけた。