「『―-in the sky-』の春田は切ないです。というのも、前は愛を受ける側だったのが、今回は春田から恋をして、引っかき回したり、回されたりする立場です。だから…今回の春田は前よりかわいくは、ないかもしれません(笑)。もう少し大人で、好きになった人を応援したり、自分自身も苦しんだり。人を思うことの楽しさや難しさを伝えていけたらいいなと思いながら演じています。それから前回は春田が物語の中心にいて、それぞれの人との関係性を描いていたのに対して、今回はそれぞれのキャラの物語がどんどん展開していくんです。だけど、心情描写というのは表には出ていないので、かなり役者に委ねられてる部分が多いです。例えば、第5話で春田が成瀬にキスをするシーンも、そこに至るまでの心情や、そこからまた何かが生まれるようにと思って演じていたのですが、正直難しさを感じる部分もありました」 そんな自身の思いを、田中は共演者たちに正直に打ち明けたという。「つい数日前に雄大や戸次さんをはじめとするみんなと食事に行って。そこで僕が伝えたのは、〝自分たちが役として生きている中で感じたことだけを最終回まで紡ぎたい〟ということ。もし台本にあるト書きやせりふ通り言えなかったら言わなくていいから、とにかく今自分が思っているように行動してほしいし、話してほしい、と。そうやって現場で生まれたものを、スタッフのみんなが一つ残らず画(え)にしてくれる――それが僕のイメージする〝おっさんずラブ〟なのですが、ここにきてまた一歩そこに近づけたのではないかと思います」