準備が終わったので、皆でラ○クルプ○ドへ乗り込み、出発する。 土手に集まっていたギャラリーは、何もない所から車が出てきて驚き、馬なしで動き出した鉄の塊を見て、再度驚きの声を上げた。「出発~!」 そして、車が発進してすぐに――オドメーターで3km程進むと、さっきの商人が道端でヘロヘロになっていた。「あ~あ、走れメロスのように」 少し、追い越して車を止めると、道端で倒れこんでいる男に話しかけた。「王都まで行くのか?」「ハァハァ……」「こいつに乗れば、今日中に王都へ着けるぞ。運賃は銀貨1枚だ。そのぐらいは持ってるんだろ?」「……本当に今日中に着くのか」「もちろん」 リアゲートを開いて、荷物スペースに男を座らせる。日本じゃ違法だが、ここは異世界だ。「なんだ旦那、結局助けるんじゃ」「王都へ連れて行くだけだぞ。その後は知らん」 荷入れを待ってもらうのか、それとも代替の馬車を用意して、なんとかするのか。 だが車が動き始めると、男が騒ぎ始めた。「なんだこれは! う、馬なしで動くのか?」「だから言ったろう。今日中に着くってな」 俺はスピードを上げた。もう道路は乾いており、所々に水たまりがあるだけなので、それを避けながら走る。 この世界も左側通行だ。剣を左側に差すので、ぶつからないようにするためだ。 まぁ、鞘がぶつかったりしても、『決闘!』とはならないのだが。 それから2時間、男から身の上話を聞いたりする。 聞けば案の定、一か八かの勝負に出たようだ。まぁ、そういう商売は普通は失敗に終わるのが常なのだが。 そんな話をしている間に王都の街が薄っすらと見えてきた。「ほ、本当に王都へもう着いたというのか?」「目の前を見てみろ、本当だろ?」 小山の上に城を建てて、その周り城郭で3重ぐらいに囲った造りのようだ。 プリムラの話では、増築を繰り返しているので、もっと構造が複雑らしい。 そして城郭の中に収まり切れない小さな家々が、外にも溢れだし、その面積の方が壁の中より遥かに大きい。 人口は100万人以上らしいからな。北海道でいえば、札幌ぐらいの大きさがあるって事だ。 札幌で例えるなら、大通り公園辺りから札幌駅、すすきの辺りが城郭の中で、それ以外は壁の外。 ――ちょっと例えがローカル過ぎるか。