「ゆっくりしていって、イブ」「うん、そうする。あたしを誘う予定はなかったみたいだケドね」 にっこり笑顔であるものの、額に怒りマークを浮かべながらイブはそう言う。とはいえ夢の世界の住人であり、そもそもマリー以外を誘う予定はなかったのだが……。しばし悩んでから僕は口を開く。「なら最高級の霜降り和牛でお詫びしなきゃね」「んあ~~~っ! サイッコウッキュウッ! ヤッバい、楽しみ過ぎて床を転がっちゃいそう! あたしの席はここね!」 ずぼーっとこたつにもぐりこみながら、ニコニコ笑顔で手を振ってくれる。 猪突猛進で危なっかしくて、なんとなく妹を気づかうようにハラハラさせられることが多いんだよね。まあ、今夜のところはなるべく贅沢を味わってもらおうか。 カセットコンロに火をつけて、鍋で牛脂を溶かしてゆく。もちろん換気扇をつけており、おそらく、年越しを迎えるときまで回り続けるんじゃないかな。 そろそろ野菜を入れようかと思い、くるりと振り返ったときにふと気づく。 マリー、シャーリー、イブ、ウリドラと四方からこたつは囲まれており、入る隙間がないことを。あいだに潜り込ませてもらうとして、どこが一番良いポジションだろうか? ウリドラの隣は絶対にダメだ。きっと酒をやたらめったら注がれるだろうし、日々の不満を聞かされる。 イブの隣も避けたいな。酔ったらべろべろになって話上戸になったり体当たりしてくる気がする。