クリスマスシーズンの12月23日から25日という大切な3日間を預けて下さるわけですから、お客様には特別な日になるような舞台をお届けしたいと思います。この物語は少し特殊です。もし、シェイクスピアが『ロミオとジュリエット』を、実体験を元にして書いたならという「もしも」のお話なんです。実在のシェイクスピアにどこまで肉薄できるかわからないのですが、実際の恋愛が『ロミオとジュリエット』の物語であれば素敵でしょうし、それを真っ当に受け止めていた男性だと思います。そうした彼のピュアな部分をこねまわすことなく、そのまま演じていきたい。
観月さんとは初共演ですが、驚くのは柔軟性ですね。役柄も役柄へのアプローチも変えざる得ない局面が稽古中にたくさん出てきましたが、観月さんから、「できない」というネガティブな発言を1回も聞いたことがないんです。「わかりました」と言って、その日のうちに修正して、演出家と演出の場が求めていくものに、きちんと寄り添わせていくことができる。それは力がないとできないことで、毎日唸らされました。ラブシーンもあるのですが、ご覧になってくださる方が妬ましくなるぐらいです、きっと(笑)。シェイクスピアという稀代の脚本・演出家を題材とした愛の物語です。とにかくみんなで楽しいものを作ろうとここまでやってきました。みなさんと一緒に劇場で楽しみたいと思います。どうぞお時間がありましたらおいでください。