「この袋を千切って、粉をお湯の中に入れれば良いのですか?」「プリムラさん、頼みます」「ほう、これはスープの素か? どうやって作るのじゃな?」 爺さんが、インスタントスープに興味を示したようだ。「出来たスープをドンドン乾燥させて、水分を全部抜くんだ。それを砕いて粉にしたのが、これだ。水分が無いので腐らないから日持ちがする」「ほう、これまた理に適っておるのぉ」「魔法で乾燥って出来ないのか?」「無論、出来る」 白い髭を撫でて爺さんが得意げな表情で言う。「それじゃ、爺さんの魔法を使えば、作れるんじゃね? あの、カリカリした保存食もそうやって作っているんだろ?」 俺のやったグラノーラを参考にした保存食だ。爺さんはそれを、マロウ商会経由で卸して販売している。「ほほ、バレたか」 そんな話をしているうちに出来上がったポタージュを皆で食う。 今日の料理も皆には好評なのだが、ミャレーが立ち上がって、俺に身体をスリスリし始めた。「今日のスープも美味しいんだけどにゃぁ~うち等、あれが食べたいにゃ~」 あれってのは猫缶だろう。本当に好きだな。まぁ、このぐらいは良いだろう。「よぉ、旦那。酒は無いのかい?」 獣人達に猫缶を配っていると、マッチョが切り出した。「ちょっと! あんた達!」 アナマのお小言が始まりそうだったので、手で制してシャングリ・ラから酒を買った。 ペットボトルに入った例の4Lの焼酎だ。 女達の中にも飲みたい者がいるようなので、人数分の陶器製のカップも購入した。 それにしても【4L焼酎】で検索すると、色んな種類が各メーカーから出ているな。 みんな同じじゃねぇか――と思うのだが――。 この手を愛飲していた知り合いに話を聞くと意外と個性があるらしく、好みに合う合わないがあるらしい。「これしかないけど、これで良いか? 以前、獣人達に飲ませた時は好評だったぞ」「うひょ~、ちゃんと酒があるじゃねぇか」「ちょいと、旦那~」 アナマが呆れているが、戦勝祝だ。酒ぐらいは良いだろう。元々の軍資金はマロウさんから、もらったものだしな。「まぁ、いいじゃないか。そいつも大金が入って、女房と良い暮らしが出来るんだ。酒ぐらいは飲みたくなるだろう」「へへへ! 旦那のお陰でさ」 出発する前に変なフラグを立てまくりだったのだが、何事も無くて良かったな。「お! こりゃ、美味いぞ」「ああ、どんな酒かと思ったら、街の飲み屋の酒より上等じゃねぇか」 ペットボトルの焼酎を飲んだ冒険者達は上機嫌だ。「私は――前に貴公から、いただいたのと同じ物を所望して良いか?」「はいはい、これで御座いますね」 騎士爵用にシングルモルトウイスキーを購入した。前はスクリューキャップを交換したり、ラベルを剥がしたりしたのだが、もうそのままだ。