倒れる木々の中、そびえ立つ光の城壁に向かって話しかける。 光が消えると、その中からロズリアちゃんが這い出てきた。「わたくしは大丈夫ですけど――」 そう言って、ロズリアちゃんは周囲を見回していた。 そこにあるのは、自然の残骸だけだ。ノートの姿は見つからない。「生きてるー⁉ ノート!」 口の横に手を当て、大声で叫ぶ。 遠くへ逃げたノートに聞こえるように。「生きてるんだったら、出てきてよー!」「ほら、お望み通り出てきたよ」 背後。耳のすぐそばから、声が聞こえた。 振り向こうとするも、首に冷たい金属の感触があり、身体が固まった。「さすがに俺の勝ちでいいよね」 ノートはいつの間にか、わたしの首にダガーを当てていた。 完全に背後を取られた。隙ができていた。 わたしの生死は完全にノートにゆだねられている状態だった。 なんで? という問いをグッと堪え、わたしは宣言した。「……降参です」