ようやく自分の格好に気づいたのか、アリスは顔を真っ赤にして、慌てて手足で急所を隠した。
でも、アリス、知っているだろうか。
男は、そうして羞恥にもだえる様子を見ると、余計に興奮する生き物なんだぞ。
「ええと……あの、でも、見たいですか」
「そりゃ、まあ」
ぼくは照れくさく笑いながら、そっぽを向く。
むしゃぶりつきたいです、という本音は紳士的に押し隠す。
だがアリスは、上目遣いにぼくを見つめ、口をひらく。
「カズさんなら……いい、です」
情けないことに、ぼくは思わず、生唾を飲み込んでいた。
そんなぼくの様子を見て、アリスは身を縮め、恥ずかしそうにしつつも、ぼくから目をそらさない。
「あー、いいか、アリス。男ってのは、そういうこといわれると、狼になっちまうもんで……」
アリスの手がすっと伸びて、ぼくの手をつかんだ。
引っ張られる。
気づくとぼくは、アリスに覆いかぶさるかたちになっていた。
桜色の唇が、目の前に迫る。
口づけ。
「狼さんは、どこですか」
はい、ここです。