正平と亡き妻の「繋がり」は今も続いているし、
正平と柚子の「繋がり」は続けたいと柚子は願っているし、正平と隆との「繋がり」が本当にできることを柚子は願っているし、そのために柚子が何ができるかを願ったことが、少しずつ「繋がり」を太くしていくさまがとても印象的でした。人が人を思うことに正解はなくて、
でも人が人を思うことそのものが大切で、大人だからこそ目を逸らしたくなる現実はたくさんあって、眼をそむけるからこそ生きていける面も実際はあるんだけど、1人じゃ出せない結論は、2人では出せたりして、弱音を吐けなくなった大人にとっても、弱音を吐ける相手は大切で、血の繋がりと心の繋がりはきっとどちらも大切で、願い続けることで叶うかもしれないことは大人になってもあって、大人になるほど高望みはできなくなっても、望みが叶うことで人間は生きていけるのかもしれない、そんなことを思ったりしました。ラストに進むにつれ、辛くなるシーンもあったけど、でも、最後のパートの由美子さんのあの姿は、願い続けて叶った一つの夢の現実化した姿でもありました。
約90人の小劇場、3人の生きざまがたっぷり伝わってくる素敵なお芝居でした。