「マジか? どれどれ? むぐむぐ……こりゃ確かに!」「たはー! こりゃ、飲まずにいられん!」 アキラは自分のアイテムBOXから、ビールを取り出して飲み始めた。 それを見ていたアマランサスであったが、我慢できなくなったのであろう。 リリスと同じようにフォークで肉を突き刺し、ついに口に入れた――。「う――う、美味い! これは美味い! なんという美味さだ! お城に閉じこもり、こんな美味いものを知らずにいたとは……ああ、涎が止まらぬ!」「口に合ったようで、なにより」 肉の味に喜んでいたアマランサスだったが、アキラのビールをじっと見つめている。「飲むのか? エールみたいな飲み物だけどな」「エールもビールじゃなかったか?」 アキラがビール缶をテーブルに置くと、こちらを向いた。「普通のビールは、なんていうんだっけ?」「――ラガーじゃね?」「ああ、ラガービールな。なにが違うんだっけ?」「上で発酵か、下で発酵か――そんな話じゃなかったか?」「そういえば酒の漫画で読んだような……」 彼女にシャングリ・ラから買ったビールをジョッキに注いでやると、口につけた。「んぐんぐ……ぷはっ! このエールも実に美味い! この肉と絶望的に合う!」 実に豪快な飲みっぷり。あまりに男前過ぎる。国王と王妃が逆だったらよかったのに。「ケンイチ、母は底なしじゃからの」「え? そうなのか、それじゃその1杯だけな」「うぐぐ……殺生な……」「アマランサスの働き次第だな」「にゃー!」 ベルもやってきたので、大きく切って焼いたものをやる。 前脚でそれを押さえると、引きちぎって美味しそうに食べている。 ベルの様子を見ていたら、アキラが俺の後ろを箸で指した。「もう我慢できないにゃ~」「旦那、俺たちにも食わせてくれぇ……」「うおっ! だからお前ら、気配を消して近づくなよ」 獣人たち用の魔導コンロをアイテムBOXから出し、鉄板も用意した。 あとは皿と、ホルモン焼きのタレだな。「ほら、肉は勝手に切って食え。アネモネも食べるか?」「うん」「ひゃっほーい!」「うにゃー!」 カレーを食べて、まだ食べるのであろうか? 彼女たちは肉を食べて大騒ぎをしている。