すっごい羽ばたいてるな」「という事はポルコさんは……この先ですね!」「頼んだぞ、ポチ!」「アォオオオオオオンッ!!」 ポチの遠吠えでチャッピーに乗るブライト少年が気付いた。 ブライト少年は進行方向の先を指差し俺へ伝えた。 なるほど、あの二人じゃ追いつけないようだな。 ポルコ相手じゃ仕方ない。 俺たちはブライト少年とチャッピーの下を通り抜け、豆粒程のポルコの背を追った。 むぅ、やはりやたら圧のある背中だなぁ。「見てくださいマスター! あの背中、怖いです!」「魔力の中に怒気を感じるなんて相当な量が溢れてるぞアレ!」「愛娘がさらわれればそうなって当然ですよ!」「っ! ポルコ様の奥! ジエッタだ、見えるかっ!?」「見えます! メイド長です! 肩にフェリスさんを乗っけたメイド長が走ってます!」 フルブライド家のメイド長、ジエッタ。 あの生意気なアルフレッド爺さんと共に、長くフルブライド家に仕えるメイドたちの長。 ジュンに信用される程の人物が何故こんな暴挙を? それとも洗脳されているのか? もしくは誰かと入れ替わっていたのか? 俺はジエッタの行動の意図を考えながら逃げるジエッタを見据える。「ポルコさーん!」 ポルコの隣につけたポチが叫ぶ。「カァアアアアアアアアアアアアッ!!」 奇声を発したポルコは正面に向かって叫ぶばかりだ。「「………………」」 ポチはやや減速し、俺の方へ首を向けた。「モ、モンスターかと思いました……!」「あぁ怖かった。ありゃ……理性の箍が完全に外れた状態だな。あんまり刺激しない方が――――」「あっ!」「おい静かに――っ!?」 俺はポチの頭をぽかりとど突こうと思った時、魔力溢れる赤い瞳がこちらを睨んでいる事に気付いた。「……やばいな」「……あれは殺意の塊ですよ」「カァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」「「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」