吠えた。「1時間で龍馬が六段から七段になった! ということはだ! 使用人たちにはどれだけ経験値が入っている!? 歩兵くらいは軽く初段から高段まで上がるのではないか?」「かもな」「最強だな!?」「そうだな」 シルビアはテンションが上がり過ぎておかしくなっていた。 一方でエコは「おおーっ」と嬉しそうな声をあげて自分のスキルをいじっていた。相変わらずのマイペースである。「セカンド様」 すると、キュベロが決意を固めたような表情で俺の名前を呼んだ。その横には、他の使用人たちも並んでいる。「我々をこの場へとお連れいただいた意味、確と承知いたしました」「そうか」 ……うずうずしている、と言えばいいだろうか。かつて第一宮廷魔術師団に壱ノ型のダメージを見せた時のような、そんなやる気に満ちた顔をしていた。どうやら現場を見せた効果が覿面にあったみたいだ。実に嬉しい。「気になることがあれば、何でも聞け。ダンジョンの攻略法でも何でもいい。教える準備はできてる」「はい……!」 チームに入ってきた新人に先輩風を吹かすように言ってやると、5人の使用人たちは感激したように頷いた。「じゃあ俺タイムアタックに集中したいから、もう帰っていいぞ。あ、シルビアとエコは残れ。帰りに買い物行くからそれまで後ろで見てろ」 使用人たちをあんこに送らせて、アイソロイスの周回に戻る。 いよいよって感じだな。着々と経験値を得て、タイトル戦の舞台へ。ついに世界一の領域へと足を踏み入れる。再びあの地位へと返り咲くのだ。 ……首を洗って待ってろよタイトル保持者ども。お前らに土がつく日は近いぞ。