アリスさんを自分の部屋に案内している最中、俺は先程から気になっている事を聞いてみる事にした。「桜ちゃんに一体何を言ったんですか?」「……あの子は……見かけによらず……凄く苦労してる……。しっかり気遣ってあげないと……取返しのつかない事に……なるよ……?」 俺の質問とは違う言葉が返ってきたが、それはまた気になる言葉だった。「どういう事です……? 一体何が取り返しのつかない事になるんですか……?」 桜ちゃんの事となると、簡単に流していい話じゃない。 あの子がもし困っているのであれば、俺は力になってあげたい。「ちびっこ天使が……話してないのなら……アリスが言うわけにはいかない……。今も尚……あんなに優しそうにいられるのが……凄い……。本当に……天使のような子……」 アリスさんはそう呟くと、もう何も答えてくれなかった。 俺は桜ちゃんに一体何が起きてるのかがわからず、胸にモヤモヤした感情を抱えたまま、自分の部屋へと向かうのだった――。