少女の指先が、ゆっくりと僕の指に絡んでくる。 10月の終わりとなると風も冷たくなり始め、少女の指もまた冷たい。温まるよう、もぐりこむよう、指と指のあいだに触れてくるのは少しだけくすぐったいなと思う。 そう思いながら隣を見ると、彼女もまたくすぐったそうに見上げていた。「さあ、赤ずきんちゃん。まずは一条さんを怖がらせられるかな?」「んふふーっ、任せて頂戴。さっきのおじさんのおかげで、ちょっとだけ自信が出てきたの」 おや、なんという自信過剰なエルフさんだ。僕から見たら可愛らしくて仕方ないというのに、本人だけは自信たっぷりだなんて。 そのように正反対の笑み僕らは浮かべ、一条さんの家のチャイムを指で押した。