ああ、またご主人は残業の日なのか……。 誘いを受けようか悩んだけれど、ふと想像してしまった。人ごみの嫌いなマリーを連れてゆき、乗り物にもなかなか乗れず不機嫌になってゆく光景を。 いや、もしそうなったら最悪だぞ。ひょっとしたら日本をほんの少し嫌いになるかもしれない。彼女は気の優しいエルフだけど、ウリドラはどんな事を言ってくるだろう。「おぬしは本当ー……に使えぬ男じゃのう……」 あ、すごくリアルに想像できるね。 僕はいつになくスマホを素早く操作し「ぜひお願いします先生」と返信をした。 よーし、久しぶりにお食事会をしつつ、週末のプランを練るとしましょうか。 スマホをしまうと、先ほどのモヤモヤはだいぶ薄れていた。