固まっている所は焼いて、ドロドロの部分だけをマヨに使う。 ドロドロにリンゴ酢とオリーブオイル、調味料を足して、ハンドミキサーで撹拌する――蜘蛛の卵のときと一緒だ。 味見をする――「お、美味い」 蜘蛛の卵より、味が濃いような気がするな。 余った材料はアイテムBOXに収納した。 続いて、幼虫を切って中身を取り出し、ハンドミキサーで撹拌。 玉ねぎや人参、じゃがいもなどを、アネモネの魔法で火を通してもらい、一緒にハンドミキサーで混ぜる。 幼虫の中身はタンパク質だ。これだけでは旨味はないので、だしの素を投入した。 塩で味付け――ポタージュの完成だ。「あ~旦那が何かやってるぜ……」「見ないようにするにゃ」 獣人たちは無視して、指で少し舐めて味見をしてみる。「うん、こんなもんだ」 デザートも作ってみよう。 蜂の卵に、砂糖と牛乳を入れて、バニラで香りつけ。飯を食べている間に蒸して、プリンにしよう。 テーブルの上に蜂料理が並ぶ。 蜂の幼虫と野菜のポタージュ、蜂の卵焼と蜂のマヨネーズがけ、そしてアネモネの焼き立てのパン。「すごーい! 蜂だって言われないと解らないね」「その通りじゃの。このままテーブルに出されたら、誰も蜂の子が材料だと思うまい」「うわぁぁ……」 ニャメナがカレー粉をかけた魚を持ったまま硬直しているが、無視する。「ふむふむ、やっぱり蜘蛛の卵より、味が濃いような気がするな」 卵焼きを食べる。見た目は白身焼みたいな感じだが、味は濃い。 蜂の卵には黄身がないので、全部が渾然一体だ。マヨネーズソースが合う。「蜘蛛のは卵が大きいので、大味なのであろうか?」「そんなことはないと思うが……」 蜘蛛より、蜂のほうが食料に利用されているので、蜂のほうが美味いということだろうか。 元世界だと蝉も美味いと言われていたが、この世界に蝉らしき昆虫はいない。「このスープは、濃厚じゃがホッとする味じゃのう」「美味しい!」 タンパク質が十分に入っているので、濃厚だが高タンパク低カロリー。 動物の肉や魚の身をドロドロになるまでミキサーにかけたら、こんな感じだろうか。 プロテインもいらないから、ボディビルとかにピッタリだな。 上手いことタンパク質を分解してアミノ酸にできれば旨味は増すと思うのだが……。 そういえば、エルフのスープは美味かったな。 なにか魔法でも使っていたのだろうか?