「なぁ須磨ねぇ……さっき何考えてたんだ?なんか…懐かしいけど悲しい音がした…」奏の顔にはこちらを心配するような表情が浮かんでいた。それを見て本当に母親に似ているなと思う。善逸は否定するだろうが、須磨には二人がそっくりに見えた。容姿ではない。その耳の良さが、心の在り方が。「大丈夫ですよ!ちょっと昔のことを思い出してただけですから」笑う自分に納得がいかないといった表情の奏。きっとはぐらかされたと思っているのだろう。だが、奏に話すわけにはいかない。かといって嘘をついても見破られる。だから須磨はごまかすしかなかった。