香水を作るのに必要なアルコールだって自分の商会で取り扱っているわけだし、香水業はうまくいくんじゃないだろうか。それに、化粧品とかも……。 やだ、どうしよう。 うまくいけば、私、そのうち美のカリスマとか呼ばれたりしちゃう? いやでも、コウお母さんを差し置いて、美のカリスマ呼びはさすがに……でもみんなが勝手に呼ぶのはしょうがないもんなぁ。「リョウ殿、なんだか悪いことを思いついたような顔をしております」「べ、別に悪いことなんて考えてませんよ!」 悪いことには手を染めておりません! 健全です! 慌ててアズールさんに健全であることをアピールすると、一旦自分を落ち着けるためにコホンと咳をする。「とりあえず、そういうこともあるので、早めにでて王都に向かいます。商会のことはカナリアさんにお任せする予定です。私がいなくては回らないということも無いですから」 と私の話の途中でコンコンとノック音が響いた。 アズールさんが扉の方までいって、何事かのやり取りの後にこちらに戻ってくる。「リョウ殿、北東の領地に支援物質を運んでもらっていたアリーシャ殿が戻ったようです。他領地の現状をお伝えしたいと」「わかりました。では入ってもらってください」 私がそう言うと、アズールさんは、部屋に一人の女性を通してくれた。