「……ま、まあいいわ。で、琴音。あなたも嘘はついてないのよね? 祐介くんとは何もないのよね?」「は、はい。わたしたちは嘘なんてついてません。祐介くんの無実を証明できるなら、わたしは何でもします」「そう……なら、こっちへいらっしゃい。私との約束を破っていないか、身体を張って証明してもらうわ。悪いけど、緑川くんはここでしばらく待っててね」 初音さんがそう言い終わると、死角となる建物の陰に琴音ちゃんを連れて行った。 俺は、ラブホ敷地内にぽつんとひとりきり。 誰も見ていないとはいえ居づらい。美人局に引っかかったふりでもしとくか? ………… ……静かだな。「あっ、お、お母さん! こ、こんなところで何するんですかぁぁぁ!!!」 ……と思ったらなんだ。「い、いやぁぁぁぁぁ!!! やめて、やめてぇぇぇぇぇ!!!」 ……おいおい。「あ、あふぅぅぅぅぅ!!! いや、いやぁぁぁぁぁぁ!!! ひゃああああぁぁぁぁ!!! はああああぁぁぁぁん!!!!!」 ……何やってんのさ。 今日一番の、息子いらいらタイムだぞ、ここ。 電流エレキテルじゃなくて勃起エレクトイライラ棒、なんつって。 ……………… ………… ……「……悪かったわね、緑川くん。なにもなかったって信じるわ。琴音も疑っちゃって本当にごめんなさい」「あ、あああ……もぅ、お嫁に行けないですぅぅぅ……わたしは汚れてしまいましたぁぁぁ……」 やがて、うってかわってとってもすまなそうな態度の初音さんと、顔中真っ赤になった涙目の琴音ちゃんが戻ってきた。 琴音ちゃん、巻きスカートのボタンが外れてえらいことになってるんだけど……指摘できねえ。母娘で何を確認してたんだよってば。「……ま、まあ、誤解が解けたならよかったです、ハイ」 興奮した息子をなだめすかすのに必死で、半分うわの空で返事する俺。 前かがみのまま両手は組んで股間の前へ。変な挨拶ポーズになってしまった。 琴音ちゃんのトラウマ、また増えるんじゃない? いや、何をしたか正確にわからんから、初音さんが土下座すべきかそうでないか言及できないけどさ。 いくらコメディーだからって何をしても許されると思うなよ。荒れても知らんぞ。 ………… 盗撮してる不埒者はいないよな……? もしいたら全力で探し出してやるわ。