「クッ、クハッ! クッハハハハハ!!」「か、閣下、如何なされましたか……?」 とある王国の、とある城内の、とある一室。 身長180センチ、赤黒い髪の、素手で何人も殺していそうな眼光をした、とある人物が、使用人の持参した書簡を読みながら大口を開けて笑っていた。「やはり来た、セカンド・ファーステスト! 私の目に狂いはなかった!」 人は、この恐るべき将軍を「闘神」と呼ぶ。 その手に握られたるは、闘神位戦出場者一覧表。 闘神が見据えるは、たった一人の男の名前。「このノヴァ・バルテレモン、逃げも隠れもせんッ! 狼煙を上げろ! 今より此処を発つ!」 オランジ王国陸軍大将ノヴァ・バルテレモン。 王国最強の切り札と謳われる闘神が、その燃え盛る闘志を剥き出しにして、あの男の前に立ちはだかろうとしていた――。