終演後。
演出家の笹峯愛さんたちと飲みに行ったときのこと。
近江谷先輩が稽古で苦労してたという話を聞いた。
どうやら役作りで苦しんだらしい。
「もうね、稽古場で愛ちゃんにも大内にも由美子ちゃんにも迷惑ばかりかけてね」
「そうだったんですか?」
「最年長でプロデューサーなのにね。俺だけが全然できなくて。愛ちゃんにダメ出しされっぱなしで」
「(笑)」
「俺なんかウンコですよウンコ」
「(爆笑)」
それでも、この人はただでは起きない。
「でもね、この年齢になって、ちゃんとダメ出ししてもらえるってのは有り難いんだよね」
「同感です」
「それこそテレビの現場なんか「ベテランさんなんだからパッパってできますよね?」みたいな扱いだし」
「なるほど」
「やっぱり舞台はしっかりダメ出しがあるのが良い」
「でも、一人だけ多いから苦しんでたんでしょ?」
「それはそう(笑)」
ここで僕が日頃思っていることを言ってみた。
「あの~『ダメ出し』って言葉が良くないですよね」