「うん……」「プリムラ、大丈夫か? 悪かったな驚かせて」「あ、あんな巨大な魔物を仕留めたのですか……?」「ははは、まぁな」「全く――旦那が、あんな鉄の化け物を操れるなんて思ってもみなかったぜ」「ケンイチは調教師ですのよ」 それを聞いたニャメナが膝を叩いた。「ああそれで、森猫も懐いているんだな」「懐かない魔物もいるけどな」「あの蜘蛛でも、操れるのかよ?」「さてな、時間を掛ければ或いは……意思の疎通が出来ないから無理かな?」「全く、信じられないよ」 だが、ミャレーとニャメナに聞いても、あの蜘蛛が金になるかどうかは不明だと言う。「魔物の甲殻は貴重なんだろ? 魔法を弾く鎧だと……」「あんなデカブツを処理出来りゃいいけど……ギルド次第だな」 倒れたプリムラは大丈夫そうなので、外に出て検証をしてみることにした。 検証――何をするのかというと、蜘蛛の卵だ。 アイテムBOXから大きめのステンレス製のボウルを出し、その中へ毛玉のような蜘蛛の卵をいれる。 サッカーボールぐらいの大きさがあるから結構デカい。「旦那、何をするんだい?」「中身を見てみようかと思って」「うえぇぇ! 正気かい?」 ニャメナが露骨に嫌そうな顔をするのだが――中身はどうなってるのか、俺は気になるんだがな。「何をしてるにゃ? ふぎゃ?!」「なになに?」 アネモネは平気のようだが、獣人達はちょっと混乱しているようだ。「アネモネは平気なのか?」「私も中身を見てみたい」「中から蜘蛛が出てくるかもしれないぞ?」「それじゃ、私が魔法で燃やすから!」 随分と逞しくなったものだ。ボウルに入っている蜘蛛の卵に包丁で切れ込みを入れる――。 すると、中から流れ出すクリーム色のドロドロとした液体。「残念、中身は蜘蛛の姿じゃなかったな。もしかして、メスが産んだ直後だったのかも」 卵の殻も虫糸で出来ているようなので、川で洗ってから干す事にした。川でじゃぶじゃぶと洗い、ジェットヒーターを出して温風を当てて乾かす。 その間に、俺が自ら実験台になってみよう。