「でも、旦那ぁ。家の中を水浸しにしていいのかい?」「ああ、お湯を捨てた後で、アネモネの魔法で乾燥させればいいと思ってるんだが……」「なるほどにゃ」「多分、大丈夫」 アネモネもそう言っているし、多分大丈夫だろう。 しかし、これから1ヶ月間この場所で風呂に入るとなると、水の確保をしないといけないな。 この近くに川は無いようだし、水路の水源になるという、隣領の湖まで汲みに行かないとダメか。 距離的には20~30kmぐらいらしいから、数日に1回往復する羽目になるのかな……。 風呂から上がると、俺とアネモネはバスローブを着ているが、ミャレーとニャメナは裸のままだ。 そして2人は、ジェットヒーターの前で濡れた毛皮を乾かすためのダンスを踊り始めた。 彼女達は、そのつもりはないのかもしれないが――このダンスは、いつ見ても艶かしいんだよな。 するとニャメナが、足元の小石を拾って暗闇に投げつけた。「覗くなら、金持ってきやがれってんだ!」 辺りは暗くなっており、俺の目では解らなかったのだが、出歯亀がいたらしい。 アネモネの髪の毛も乾いたので、小屋に行くと――脱いであった夫人のドレスをアイテムBOXへ収納する。 次いで浴槽も収納して、中の水をゴミ箱へ捨てる。 シャングリ・ラでデッキブラシを買い、残っている水を部屋の隅に開いているハッチから追い出すと準備完了。 玄関と窓を全開にして、アネモネに魔法を使ってもらう。「む~! 乾燥ドライ!」 彼女の声を共に床から白い湯気が立ち昇り、小屋の中へ充満する。これでサウナも作れそうだな。 床に足を置いてみると、すでに完全に乾いている。こりゃ凄い。 まぁ、伐採したての生木が完全に乾燥するぐらいの威力だからな、このぐらいは余裕か。