「ほら、これをやるから着ていいぞ」 女の子にワンピースを渡すのだが、じっと見ている。「着方が解らんか? ちょっと着せてやってくれ」「はいよ~」 女の子が着ていたボロボロの服を、女の1人がスカートの裾を持って一気に脱がせる。 裸になった彼女の頭から紺のワンピースを押し込んだ。「中々似合うじゃないか、名前は何て言うんだ?」 ショートボブ風になった黒い髪の毛に、紺色のワンピースがよく似合う。ちょっとつり目がちな目で、俺をじっと見続けている。「……アネモネ」「アネモネか――いい名前だ、宜しくな」 獣人達は暗闇の中で宝探しに没頭している。夜目があるから暗闇でも関係無いしな。 それは彼等に任せて俺と女達は寝ることにした。 シャングリ・ラからブルーシートを買って地面へ広げた。 少々ゴツゴツするが寝れない事もない。女達は、ろくに毛布も与えられず皆が雑魚寝だったらしいが、今日は俺がやった毛布がある。 俺が寝転がって星空を眺めていたら、女の子――アネモネが俺の隣へ来て抱きついてきた。 反対側には、プリムラさん。そして、ミャレーがアネモネの隣へ来たいようなのだが躊躇している。 恐らく虱の心配だろう。 ――実に温かいのだが、ちょっとこれは困ったな……。 ミャレーじゃないが、虱が伝染らないだろうな? まぁ、シャンプーして櫛も掛けたらしいから今日は大丈夫だとは思うが。 何日一緒かは解らんが、毎日シャンプーしてやらんとな。 俺は石鹸の香りの中で眠りに落ちた。