「確か、アズール殿と言いましたか? 騎士の方でございますな?」 ものすごい勢いで話しかけられて、一歩後ずさりながらも「は、はい」と返事をした。 すると、タゴサク殿がもう一歩私の方に踏み込む。「となると、文字の読み書きなどもできるということでしょうかな!?」「え、ええ、そうで、あります」 恐る恐る答えると、タゴサク殿は目を見開いて、そしてゴホンと咳払いして佇まいを整えた。「アズール殿に折り入って頼みがございます。少しお時間いただけませんかな?」「は、はあ。少しでしたら」 そう答えると、私はタゴサク殿の部屋に案内され、タゴサク殿と向かい合わせの席に座った。「リョウ様のことはいかがお考えでしょうかな?」「え……いかが、というのは?」