“三百十二日目”
祭り二日目。
俺は変わらず“長距離障害物競争”を監督しなければいけないので、今日はカナ美ちゃんのところに注目してみようと思う。
カナ美ちゃんが担当している催しモノは“お化け屋敷”だ。
アス江ちゃんと、アス江ちゃんが率いる後方支援部隊≪プレジャー≫の工作兵達がせっせと造ってくれた【地下大空洞】内にて、カナ美ちゃんの【上位アンデッド生成】で用意された生成体達が襲いかかってくる、という内容である。
アンデッド達の腐臭が充満し、半実体のゴースト達が空中を漂い、悲痛な叫び声が岩肌に反響する通路と部屋で構成されたまるで迷宮のような空間は、精神が弱い者ならショック死してしまいそうになるほど怖い場所だ。
その中で参加者達は【地下大空洞】の何処かに配置されている五つの“死者の鍵”を集めなければ、地上に繋がる扉が開く事はない。
逃げ場無い閉塞空間で、約三百名が協力して脱出するサバイバル。
それは参加者達の悲鳴と鮮血と共に、粛々と進行した。