「竜の血なんて何に使うんですか? 飲むんですか?」「うむ、飲めば不老長寿に効くらしいが――」 腸詰めにしてブラッドソーセージはどうか。「リリス様も飲みますか?」「遠慮しておく」 どうも、王女は信じていないようだ。心臓と胆嚢は万病に効くという。 当然、亜種のドラゴンより、本物のレッドドラゴン等の方が価値が高い。 その間にも、ミャレーとニャメナは臓物の池の中で泳いでいた。「ねぇぇぇ!」「ないにゃー!」 石があれば匂いがするはずだという。臓物の中でも高性能な獣人の鼻が、その匂いを逃さないだろう。「お前等、諦めろ」「旦那、龍香はないけど、これはあったぞ!」 ニャメナが持ち上げたのは、大きな黒い石。龍香ではなく、魔物に含まれているという魔石だ。 使う予定もないが、とりあえずアイテムBOXへ入れておく。「畜生! ダメか!」「次に賭けるにゃ!」 皆に手伝ってもらい臓物の詰まったブルーシートの4隅を合わせて、袋状にする。 これで、ブルーシートを収納すれば一緒に臓物もアイテムBOXへ入るはずだ――だよね? 入らなかったら、コ○ツさんで埋めるだけだが。「よし、収納!」 目の前にあったブルーシートが消える――成功だ。そして、肝臓と腸以外は、すかさずゴミ箱へポイ! ――完璧。 そして俺は、次なる獲物――ワイバーンの解体に移った。