津軽地方の地形は、広大な沖積低地と出羽山地の延長にあたる山地により形づくられている。 津軽半島北部地区は、袰月(ホロヅキ)海岸から竜飛崎にかけて顕著な海岸段丘を形成し、竜飛崎から権現崎にかけては、典型的な岩石海岸で海蝕台、海蝕洞、海蝕崖など変化に富んだ海岸地形を形成している。 屏風山地区は、岩木川河口の十三湖から海岸沿いに鯵ヶ沢付近まで続く南北30km、東西3~5kmの規模をもつ砂丘地形で、丘陵状、平原状または浜堤状などの砂丘が発達している。 鯵ヶ沢から大間越にいたる西海岸地区は、出羽山地の北部をしめる白神山地が海に臨む緑辺部にあたり、鯵ヶ沢から岩崎にかけては典型的な海岸段丘を形成している。大戸瀬崎、行合崎、艫作崎などは、隆起海蝕台、海蝕崖が見られ景観もすぐれている。 津軽地方の地質の大部分は、新第三紀層から構成されており、なかでも新第三紀の鮮新世から中新世の時代のグリーンタフ層はとりわけ特徴的な地層である。権現崎や白神山地は古生層、中生層の堆積岩系のものと、これらを貫く花崗岩類からなっている。 岩木山(標高1625m)は、津軽平野の南西部に位置する鳥海火山帯に属するコニーデ型の火山である。岩木山の火山活動は3期に分けられ、安山岩質熔岩や浮石流をはじめ各種類の火山噴出物を放出させており、その噴出の順序や時期が明瞭であることが特徴である。