体調を崩くずしている時でも皮ひ膚ふを清潔にしておくことが好ましいが、身体を洗えばその目的は達成できる。微び熱ねつ程度なら問題はないのかもしれないが、リオも専門の知識があるわけではないので判断が微び妙みような行いについてはより安全に思える行こう為いを推すい奨しようするしかなかった。「少し残念ですが、わかりました」 フローラは名残なごり惜おしそうな顔で、だが素直に頷く。「なら、私も今日は遠慮しておきます」 妹を差し置いて一人でお湯に浸かるのは気が引けるのか、クリスティーナが続く。「承知しました。他に浴室を見てわからないことがなければ私はこれで……。ああ、タオルの準備がまだでしたね。ちょっと取ってきますので、脱衣所でお待ちください」 リオはふと思い出したのか、浴室と脱衣所の扉を開けたまま引き返していく。クリスティーナとフローラも言われた通り、脱衣所へ引き返した。すると――、「ところでお姉様……」 フローラが姉に話しかける。「何?」「その、ここはどこなのでしょうか?」 首を傾げるクリスティーナに、フローラが尋たずねた。岩の家に運ばれる間、フローラはずっと意識を失っていたので、疑問に思ったのだろう。「……アマカワ卿の住居よ」 それだけは確かであることは間ま違ちがいない。かく言うクリスティーナも疑問が尽つきないのだが、そう答えた。「ハルト様の? ですが、ここはパラディア王国なのでは?」「ええ、そう、なんだけど……。その辺りのことも含ふくめてお話をする時間を設けてくださるみたいだから、その時を待ちましょう」「はい」 フローラはまだいまいち事情を飲み込めていない顔をしているが、声を弾はずませて返事をする。「嬉しそうね」 クリスティーナが指摘した。