プリムラの店は順風満帆。何の問題もない。俺は、ツリーハウスの続きをするとしよう。 近くに立っている木を柱に見立てて小屋を載せるステージを作り、最終的には、そのステージがそのままテラスになる。 小屋の大きさは、4m50㎝✕3m――テラスの幅は1m欲しいから、ステージの大きさは6m50㎝✕5m、地上からの高さは5mを予定している。 木が丁度良い具合に長方形に並んでいれば、そのまま使えるのだが、中々そうはいかない。 近くの森を探し回って木が3本利用出来る場所を見つけたので、残りの1本は俺が丸太を立てて、それを柱とする。 丸太はアイテムBOXに入っていた10m弱の丸太を使用する。こいつは、以前いた森で伐採した物だ。 木の質や大きさ等は、以前住んでいた森の方が良いようだ。 シャングリ・ラには長い角材が売っておらず、全部辺りで伐採した材木を使用している。 伐採したての材木は当然生木。このままでは使用出来ないので、皮を剥き乾燥をさせなくてはならない。 俺とミャレーで木材の皮を剥いていたのだが、あまりにも大変なのでシャングリ・ラで何か良い物がないか検索する。 すると、チェンソー用のアタッチメントで木材皮むき器が売っていたので――早速、購入。「おお~っ! こいつは早いぜ!」 バリバリという音を立てて、丸太の皮が剥かれていく。機能としては電動カンナに近いだろうか。 とても便利なので、チェーンソーをもう一台買って、アタッチメントをつけっぱなしにしている。「凄いにゃ! それも魔道具にゃ?」「まぁな」 そして、最後の仕上げはアネモネに仕事を頼む。「よし、アネモネ。ここに積んである木をやってくれ」「解った! む~、乾燥!」 彼女が唱える魔法と共に、木から白い湯気がもうもうと出始め、ピキピキと音を立てて変形収縮していく。 ここで活躍したのは、アネモネが新しく覚えた乾燥の魔法。対象物から水分を抜いて乾燥出来る。 勿論、洗濯物も乾かせるし、魚や肉も干したり出来る。凄い便利。 道具屋の婆さんが――彼女は生活魔法も使えるはずだと言っていたが、マジであっさりと使いこなしてみせた。 やはり、彼女は魔法について凄い才能を有していると思う。