「あにちゃ! だれ! かわいい!」「まだ名前は付けてないけど、ヤギの子供なんだ」「ふわーーすごい!」「子ヤギ。このかわいい子がサリア。俺の妹だ。こっちの大きい犬がルンルンだ」「めぇ」「まっしろ。かわいい!」 サリアは俺の股の間から顔を出している子ヤギの頭を撫で始めた。 子ヤギもまんざらでもなさそうだ。「しろちゃん、かわいいねー」「ん? 子ヤギの名前はシロにするのか?」「うん! しろくてかわいいから!」「そっか。子ヤギはそれでいいか?」「めぇぇぇ!」 名前を付けてくれて嬉しい。名前も気に入った。どうやら、そう言っているようだ。 シロ自身が気に入ったのなら何よりである。 ロゼッタの妹、ローズもシロが気になるようだ。 シロを見て、尻尾をぶんぶん揺らす。「しろちゃんっていうの? よろしくね!」「めえ!」 ローズとサリアに撫でまわされて、シロもご機嫌なようだ。 俺の股の間から出て、短い尻尾を振りながら、二人に体をこすりつけている。 ルンルンは興味深そうにシロの匂いを嗅いでいた。 獣同士の挨拶もあるのだろう。 それからアルティとティーナと合流して、食堂に行き夕ご飯をみんなで食べる。 そして自室に戻り風呂に入り、早々に眠ることにした。 サリアも授業開始日で疲れた様子だったからだ。 ベッドの中でサリアに尋ねる。「授業は面白かった?」「おもしろかった!」「それはよかった」「んとね、うんとね! ろーずちゃんが……」 楽しそうにサリアは今日あったことを語り始める。 そしてしばらくして、眠ってしまった。 俺はサリアの柔らかい髪を撫でながら、床で横になっているルンルンに言う。「ルンルン、今日はありがとうな」「……」 ルンルンは無言で尻尾を振った。サリアを起こさないように気を使っているのだ。 ルンルンは体が大きいのでベッドに乗ってこない。遠慮しているのかもしれない。 シロとフルフルはベッドに乗って眠っていた。「ルンルンも遠慮しないでベッドに上がっていいよ」「…………」 ルンルンは無言のまま、静かにのそのそと俺の足元の方に上ってくる。「もっとこっちに来てもいいよ」 そう言うとルンルンはもぞもぞと俺の横に来た。 今日同行できなかった分、たっぷり撫でる。