その後、俺たちは9つの豪邸全てを視察した。建て直しや改築などを必要とする豪邸は9つ中7つ。東の豪邸と南東の豪邸はそのまま使うことに決定した。 そして購入を済ませる。同時に工事が始まった。ユカリの手回しのおかげですんなりと事が進んだ。 計216億CL。これだけやってこの価格なら安い気がする。「セカンド殿! 東の豪邸には今夜からもう入居できると言っていたぞ! 楽しみだな!」 シルビアはウッキウキだった。 気持ちはすげーよく分かる。俺は今まで現実の生活には無頓着だった。メヴィオンができる環境さえあれば十分だったからだ。まあ、社会的に言えば“負け組”である。 しかし、この世界こそが現実となった今、“勝ち組の証”とも言える豪邸を手に入れた俺の気分はドンドングングンずいずい上昇中だ。「いえええええ゛え゛え゛っ!」 エコはテンションが上がりすぎておかしくなっていた。若干声も枯れている。「今日はバーベキューにするぞ!」 かく言う俺も超有頂天ラッシュ突入中だった。まだ東の豪邸に向かって歩いている途中なのにエビやら肉やらをインベントリから取り出して串に刺し始める。何やってんの俺。「お手伝いいたします」 ユカリも「ふふふ」とか言って笑っている。クッソ珍しい。 こうして、異様にテンションの高い4人組が豪邸のウッドデッキで夜通しバーベキューをして盛り上がるのであった。 翌日、酷い二日酔いでポーションを飲まずには誰一人として起き上がれなかったことは言うまでもない。お読みいただき、ありがとうございます。『セカンド邸』案内北 森林の中の豪邸北東 温泉旅館風の屋敷東 スタンダードな豪邸南東 使用人用の洋風豪邸南 風雲セカンド城中心 風雲セカンド城南西 ヴァニラ湖畔の豪邸西 沢のほとりの和風屋敷北西 ヴェネチアンな豪邸