浮気の言い訳テンプレいただきましたー!「……突然すぎんぞ。あと、ノックぐらいしろ。親しき仲にも礼儀ありだ」 思わぬ来客に、心の準備もできてなかった俺は、とりあえず最低限のマナーを求めるくらいしかできなかった。 もし自家発電中だったらどうすんだよ。佳世の浮気を知ってからED気味だったから最近はしてないけど。 ………… これが白木さんだったら、ドアを開ける前に向こう側でペコペコしてから入ってくるんだろうな。誰も見てないというのに。 ………… 佳世を目の前にしても、何故白木さんのことを思い浮かべてしまうのか。自分で自分がわからない。 苦笑いが思わず出てしまったが、佳世がうつむいているおかげでバレてないようだ。 俺は気を取り直し、口を真一文字に結ぶ。「…………」 それでも佳世は一言も言葉を発しないで、ただドアを開けたまま立っていた。 俺の次の言葉を待っているようにも思える。 仕方ない。「……何しに来たんだ」 俺がそういうと、やっと佳世は顔を上げて俺を見た。「……ごめんなさい」「いまさら何を謝っているのか心底理解できねえ」「ごめんなさい。ごめんなさい。許してください」「……許すわけないけど。謝ってるってことは、自分が後ろめたいことをしていた自覚はあるんだな」 何をしたいのか、本当にわからなかった。 この前の時と比べて激情に支配されてないせいか、俺は理路整然と、佳世を追い詰めるための下準備を進めることができている。「……」「だんまりかよ。まあもう話すことはないから、出てけ。あらためてごめんなさいと言えて、少しは気がまぎれたか?」「……ごめんなさい。わたし、本当にバカでした。一番大事なものを見失ってました」「……」「そして甘えてました。祐介がわたしから離れていくなんて思いもしませんでした。祐介なら何をしても許してくれると思ってました」 今回は佳世も興奮状態にないようで、静かに己の懺悔を始めている。