序列1位 イヴ 序列2位 キュベロ 序列3位 リリィ 序列4位 エル 序列5位 シャンパーニ 序列6位 コスモス 序列7位 エス 序列8位 ジャスト「今回、序列上位は荒れるかと思いましたが……あまり変化はありませんでしたね」 序列戦が終了し、発表された最新の序列。 上位では、シャンパーニがコスモスに勝ち5位に、十傑エスが馬丁頭ジャストに勝ち7位に。それ以外は大して変わらず、といった具合であった。 そんなキュベロの呟きに、ぶすっとした顔を向ける男が一人。「納得……いかねぇっす」「なんだァ? プルム。お前なんか、参加してねェじゃねーか」 馬丁のプルム。ジャストを兄貴と呼んで慕っている14歳の少年であった。 彼は序列戦に参加していない。しかし、掲示されている序列戦の結果を見て、不満顔をする。「兄貴の序列っすよ。8位って……これでソブラ兄さんが復帰したら、きっと9位に落ちるっす」「あ゛ぁ? てめェ、俺のこと馬鹿にしてんのか?」「ち、違うっすよ! ただ、その……」 プルムは、自身の慕う兄貴が「四天王で最下位」ということに少々の不満を抱いていた。それだけではない。その上に、更に5人もメイドがいるのである。「世界で一番格好良いオレの兄貴」が、そんなに下だなんて……弟分として認められなかったのだ。「……ケンカの強さだけで、偉さが決まるって、おかしくないっすか?」 だが、そんな恥ずかしいことは、口が裂けても言えない。 ゆえにプルムは、“制度に対して”ごねた。 本音としては「兄貴が一番になれない制度なんて間違ってる!」であったが、それもやはり口には出せないので、遠まわしに批判する形をとったのだ。「プルム。お前よォ、ユカリ様が決定したことに文句言うんか?」「違いますって! でも……やっぱ、おかしくないっすか?」「違ェよ、俺が弱いだけだ。偉いやつってのは、仕事と同じようにケンカもこなす。俺にはそれができねェってだけだ。序列は正しいぜ」「でも……兄貴ぃ……」 プルムが情けない声で更にごね続けようとした、その瞬間――場の空気が一変した。「…………ぅ」 イヴが、挙手をして、何やら喋ったのだ。 その場に集っていた使用人たちは、彼女の隣の通訳へと耳を傾ける。「私もおかしいと思う、と申しております」 ざわりと、どよめく。「……ゎ……し……」「私なんか調査もできないし暗殺もしたことないのに何故か一位だし、と申しております」