うちの使用人が宿まで送ってあげるようだ。カピート君はぐーすか眠るエコパパを担いで馬車へと乗り込む。 そして、別れ際。カピート君は酔っ払いつつも、真剣な表情で、俺にこう伝えてきた。「スリムってやつ、注意しといてください。召喚術師界隈じゃ、あんまり良い噂ないっすから」「そうか。忠告、わざわざありがとう」「いえ。それじゃあ失礼します。また、明日」「ああ、またな」馬車が動き出し、二人は帰っていった。 召喚術師のスリム。確か「Mr.スリム」という名前で挑決トーナメントにエントリーしていた。俺と当たるとしたら、決勝だ。 ……何か、あくどいことを仕掛けてくるかな? カピート君の忠告。折角だから注意しておこうと思うが、逆に少しだけ楽しみな自分もいる。 霊王戦、色んな意味で高まってきたな……。