アネモネに石鹸を渡して手を洗わせる。 だが、手を洗っている最中に船を漕ぎ始めた。「おっと! 危ない! 川に落ちたらどうする」 彼女を川から離すと、そのままアネモネが俺に抱きついてきた。どうも眠気が限界のようだ。 ランタンを手に持ち、アネモネを抱きかかえて家へ入る。「眠ちゃったにゃ?」「ああ」 仕方ない、彼女の服を脱がして裸にすると寝間着に着替えさせる。アネモネの手を見ると、インクが取れてないのだが……。 試しにアイテムBOXからアルコールを出して拭くと綺麗になった。「俺たちも寝るかぁ」「にゃ~!」 ミャレーが服を脱いで裸になる――どうやら、彼女も一緒に寝るようだ。当然、ベルもやってくる。 3人と1匹じゃダブルベッドでも狭いんだが……。 どうしよう。 そんな事を考えていると、ミャレーが抱きついてきた。「ケンイチ……」「こらこら、隣にアネモネがいるからダメだっての」「寝てるから大丈夫にゃ」「意外となぁ、子供って起きてたりするんだよ、こういう時に」「ウチも、父ちゃんと母ちゃんがウチの横でしてたにゃ」「だから、ダメだって言ってんだろ!」 変なトラウマを植え付けたらどうする。子供の精神衛生上宜しくない。 揉めていると――俺とミャレーの間に森猫が入ってきてくれた。 獣人達にとって森猫は神の使い、邪険には出来ない。彼女は大人しく引き下がった。 本当にもう。獣人達は欲求にストレート過ぎる。 まぁ、獣人とやっても子供は出来ないらしいのだが――つまり混血不可能って事だ。 それが良いのか悪いのかは解らないが。