「こんな私は負け犬でしょうか?」
と問う目は、今思い返すと切実な光を
たた
湛えていました。彼女達はおそらく、
「既婚者とはいえ、あなたも負け犬の仲間ですよ。仲良くしましょう」
と、言ってほしかったのです。彼女達は、勝ち犬すなわち既婚者の群れの中では、「結婚しているのに子
供がいない」という意味で、半端者扱いされていました。既婚者仲間と集まっても、子育て話には参加でき
ない。ママ友だって当然、いない。では、ともう一方を見てみれば、負け犬すなわち独身者達が、「私達は
負け犬だからさぁ~」と、開き直り気味でツルみ、楽しくやっている様子。一体自分の居場所はどこにあるの
だろう……と、寂しくなったのではないか。