うっ…。ニコッと可愛い笑顔でそこまで言われたら、もうこれ以上はなにも言えない。でも本当にムリしないでね?
私の隣で、雪野君は温かい紅茶をおいしそうに飲んだ。
「そうだ!お見舞いの本、ありがとうございました。凄く面白かったです」
「そお?良かったですわ。雪野君のお兄様から雪野君が退屈しているって聞いて、なにか退屈しのぎになる物をと考えましたの」
「うん、面白くって2回も読み返しちゃった」
「気に入ってくれたなら嬉しいですわ。…入院生活は大変でした?」
「ううん。いつものことだから」
「いつもって…、今まで何回入院したことがあるの?」
「え~、覚えてないなぁ…、何回だろう?」