「白いぱんつが魅力的?」「そっちじゃありません」「じょーだんじょーだん。……白木さんは、佳世よりはるかに魅力的だよ。少なくとも俺はそう思う」 照れながら言う。こんなくさいセリフ、冗談を挟めなきゃ真顔で言えない。「……少しだけ、自信がついた気がします。ありがとうございます」「どういたしまして。そりゃよかった」 さっき凍りついたのが不思議なくらい、温かな空気が広がってるのはなぜだろう。「……わたし、たとえニセモノの彼女でも、精いっぱい頑張りますから」 そして、白木さんはこれ以上なくご機嫌。そのご機嫌さが、言葉のチョイスにも表れているみたいだ。「うん、たとえあいつらへの復讐にならなくても、お願いしたい」「ふふっ、そうですね。だから、緑川くんは──」 白木さんが俺から少し離れてから,後ろで手を組んで、くるりと振り向く。 その時に纏まとっていた笑顔は、確かにさっきよりもはるかに魅力的で。「──わたしが確かな自信を持てるよう、協力してくださいね」 胸を射抜かれた俺は、思わず頷いてしまった。「わたしの魅力は、わたしをちゃんと見てくれる緑川くんに、育ててほしいんです、よ……」 これ以上魅力的になったらどうなるんだろうな。 そんな心配だけが、俺の中に残るような笑顔。 ──うん、昨日が忘れられるくらい、今日はいい日だ。 ただし。 背景が非常階段じゃなければ、もっと良かったんだがな。 ―・―・―・―・―・―・―「……おまえら、ボクを差し置いて、なに三文芝居してんだよ。見ろ、マンションの住人みんなドン引きしてんぞ」「あ、ごめん。自分に酔ってた」