ーーーー気付けば両腕を複雑骨折して、救護室代わりの部屋の天井を見上げていた。「かっちゃん、よかった……、意識は問題ない?」覗き込んでくるそれは、聞き慣れてしまった十数年の腐れ縁の声。てめェも同じ程度の重傷だろうがクソデク、と思ったが口に出すのも億劫だった。全身が怠くて、腕の怪我がどうこうというレベルではない。デクが平気そうで自分が参ってるなんてふうに見られると悔しいので吠えたが、正直ババアの治癒が効いてきてからやっと追いつくように精神も本調子に戻った。室内を見渡すと、他にもプロヒーローの姿が見え、俺はそこでようやく、救援が来て片が付いたのだということを理解した。